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第269回 スポーツ庁創設

8月10日、新聞各紙は文科省の「スポーツ庁創設」を報じた。東京五輪に向けた選手育成が主目的。ただこれまで選手強化を担ってきたJOC(日本オリンピック委員会)は反発とか。既得権を巡る反発だろうが、私は従来から五輪至上主義のJOCの在り方には少なからず疑問を感じてきた。それは五輪種目以外は強化の対象外の姿勢についてだ。もちろん、五輪でのメダル獲得は国民の多くの賛同を得るが、スポーツの主目的の国民の健康増進、体位の向上や、青少年の健全育成等。五輪種目でない競技も十分その役割を果たしている。今回の結論としては"国が支出する強化費などはいったん、全て新設される独立行政法人を経由させるが、配分についてはJOCにも一部の裁量権を残すとする妥協案で文科省と議員連盟、JOCの3者が基本合意し、スポーツ庁発足の道筋ができた"。とある。

ここで解らないのは、日本体育協会の存在がないこと、文科省で包含しているのだろうが「国民体育大会」、「日本スポーツマスターズ」、「総合型地域スポーツクラブ」「スポーツ少年団」等を主管するのは日本体育協会。庁の上に省があるとすれば、3者の中に文科省は何故入るのだろう。もっと言えば議員連盟もここに名を連ねるのは不可解。肝心なことはスポーツの育成強化に風通しのいい目配りがあり、予算措置が行われることと、前述の五輪種目以外の競技にも応分の気配りをしてほしいものだ。

関連するが6月26日、熊本テルサで「平成26年度2020東京オリンピック育成選手指定証交付式」が行われた。県教育委員会によると、各関係競技種目から推薦された選手の中から、五輪出場の可能性のある選手を選考対象にするとある。県下の中高生の優秀な生徒たちが個々に名前を読み上げられ、夢に向かって歩き始めた。ただ、各協会で十分吟味されたか否か、それを示すのは例えば高校生の場合、その直後の高校総体の成績はどうなのか、少なくとも全国のベスト8あたりには入らなければ話にならない。バレーボールの信愛女学院の古賀紗理那主将は、優勝にはわずかに及ばなかったが、準決勝まで全てストレート勝ちでエースとしての存在感を示した。これから毎年見直してはいくだろうが、各種目協会はすでに片鱗を示している人、また、近い将来に大きく伸びる可能性を秘めた逸材に期待を込める。競技団体にはそんなシビアな判断が求められる訳で、過去の名声や成績から抜け出せない現状を認識できない所には大いなる反省を求めるべきだと思う。

そんな中での今年の高校総体、前号でも触れたが熊本の競技力を代表する剣道で九州学院が選抜、玉竜旗と合わせて3冠の見事な優勝。女子個人でも阿蘇中央の渡邊サチ選手が頂点に立った。他では自転車スクラッチで千原台の松岡辰泰が初優勝。さらにボクシングのピン級では開新の重岡優大選手が見事に栄冠を手にした。準優勝も信愛女学院のバレーボールの2年連続、大津高校のサッカー、陸上400では天草工の山本賢志、カヌーの球磨工業、水俣は連日の入賞で特筆もの。その中でバレー、サッカーという競技人口の多い種目での決勝進出はまさに至難の技、ほとんど連日強豪校と戦い全国で覇を競うレベルの高さは、指導者の確かな育成の成果であり拍手を贈りたい。特にサッカーはベスト8に九州勢が4校。JFA(日本サッカー協会)アカデミー熊本宇城も開校6年目を迎える、つまり1期生は高校3年生、主に九州各県でそれぞれのチームの主力として頑張っており嬉しい限りだ。

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今回は高校生に言及しているが、五輪は現在の中学生が存在感を示すと思われる、別の機会には中体連及び学校のクラブや、そこを離れた一般のクラブの在り方や指導者、保護者にも触れてみたいと思う。さて、今年の国体は長崎で開催されるが、九州地区予選は熊本で行われる。15日には市内のホテルで開始式が催され、その後は県内各地の会場で予選が始まる。地の利を生かして本大会への出場権をつかんで貰いたい。

アテネ、北京、ロンドンの五輪で活躍してきたバドミントンの女子チームのルネサス・エレクトロニクス。企業の業績悪化で廃部がささやかれていたが、このほど再春館製薬所への移籍が正式に決まった。ありがたいことだ、その仲介役は蒲島郁夫熊本県知事だったらしい。思い起こせば昭和50(1975)年に火災で廃部となった大洋デパートハンドボールチームが立石電機(現オムロン)への移籍に際して、陣頭指揮を振われたのも当時の澤田一精県知事だった。行政の長がスポーツの果たす役割の大きさに理解を示す、それに関係者の熱意が集まり勢いを増す、それが県勢というものだろう。

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