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第282回 2015年の始まり

2015年初頭オーストラリアでのアジア杯が始まった。日本代表は2連覇に向けての始動だし、チームの視野の先には、2018年にロシアで開催予定のFIFA・W杯出場がある。その意味で今回のアジア杯は極めて大切だし、その内容が重要視される所以(ゆえん~訳け、理由)だ。昨年のブラジル大会でのゲーム後の選手たちのコメントは異句同音に『自分たちのサッカーが出来なかった』だったが、その自分たちのサッカー、いや日本のサッカーが世界に挑むものは何なのかを、選手のそれぞれが理解できているか、チームとして共通理解を持っているのか、それを導く新監督の手腕に期待したいものだ。それが監督周辺の雑音をクリアすることでもあろう。メンバーは殆ど変わりがないが、熊本の地元として嬉しいのは大津高校を2年前に卒業して鹿島に入団したDFの植田直通選手が内田篤人選手の怪我により、追加召集されて代表初選出されたこと。大型DFとして将来を嘱望されていたが、こんなに早い代表入りは経緯はともかく、チャンスが巡りくる幸運は本人が持つ資質でもあるだろうし、彼に続く若い人たちに大いなる希望を与えてくれる。皆で応援していきたいものだ。

女子の「なでしこジャパン」は6月にカナダで開催されるW杯に2連覇をかけて出場する。4年前のドイツ大会で見事優勝、世界の頂点に立ったがそれ以降の活躍も素晴らしく、国内の女子サッカー界も活況を呈し観客数も増えTV放映も多くなった。県内高校女子の普及も一気に拡がり県協会の懸案事項だった女子の育成、チーム数の増加にもつながった。もちろんキッズを含めた育成世代も同様の現象で、やはり代表チームの活躍の効果の大きさを改めて感じた。さらに県内では「益城ルネサンス熊本FC」チームが「なでしこチャレンジリーグ」昇格を挑戦4年目で果たした。選手諸君は昼間は各人それぞれの職場で仕事をしながら、夜に練習という大変シビアな環境にあるが、県協会としてもロアッソ熊本と同じように支えて行きたいと思う。

さて、2018年のW杯はロシア開催予定と前述した。予定と言うのはロシアの最近の政情不安が背景にある。今回、発生したパリでの新聞社襲撃を考えるとき、一体、世界中で何処が安全で何処が危険なのか判然としない。と言うより、スポーツの交流や文化的イベント、あるいは一般的な海外旅行等も大きな危険と背中合わせであることを自覚すべきだろう。かつて米国とソ連を頂点とする東西の冷戦時代があり、1990年にソ連崩壊で国際社会に平和が訪れると思われた。一方、イスラエルとパレスチナの国土を巡る争いは次第に深刻化。イスラエルを支える米国と、パレスチナを支えるイスラムの抗争が激化。2001年に米国で同時多発テロが発生。イスラム社会の過激集団のテロが続発するようになる。欧州を訪れた方はお気づきのことだと思うが、英国やフランスにはアフリカ系の人々が多い、例えばフランスは第2次世界大戦後の出生率の低くなった時期に経済成長期に入り、労働力としての移民受け入れ政策をとった。これは「人口減少社会の外国人労働者問題」で日本も無縁ではなく、政府で検討段階に入っているのはご存知だと思うが、今回の事件で再検討となるだろう。

新年早々、固い文章になってしまった。数人の方からメールや携帯にブログ更新がないのは体調?では、のお尋ねがあった。じつは暮れから正月の三ヶ日まで、私としては殆ど初めての体験と言えるほどゆっくりと過ごせた。年賀状には、のんびりとした羊のイラストに以下の言葉を添えた"喜寿(77歳)を迎えました。肩肘張って走ってきました人生。この羊のように少し力を抜いて、スローライフをと思います。本年もまたよろしくお願いします。"年賀状を差し上げた方には重複するが、そうでない方にご挨拶を含めてブログに添えたい。

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12日は高校サッカー決勝とアジア杯の日本の緒戦のTV観戦。日本と丁度反対のオーストラリアは今が夏。ただこの日は風が強く気温22度、やや肌寒い感じだったようだ。ベテラン遠藤保仁選手の開始8分の先制点で、固さのほぐれた日本は大切な初戦を4対0の勝利。かつては苦戦した相手のパレスチナだったが、この所の日本の成長を物語る内容で寄せ付けなかった。多くの識者の辛口評は、後半、相手の一人退場にも関わらず無得点だった指摘が多かった。それにしてもパレスチナのラフプレーは一歩間違えば大怪我につながるもので、レフェリーのゲーム管理を強く望みたい。問題は16日に対戦する対イラク戦。キャプテンの長谷部誠選手のイラク戦についての短いコメント『次は別物になる』を印象深く受け止めた。

高校サッカーの決勝戦は石川の星稜対群馬の前橋育英。会場の埼玉スタジアム(以下埼玉)に4万6千人の大観衆。本来は国立競技場(以下国立)が決戦の晴れ舞台だが、2020年東京五輪のメーン会場となる新国立に生まれ変わるのを受けての会場変更。だから平成26年度大会のキャッチコピーは"蹴都移転"だった。国立は陸上競技のトラックを兼ねたものだが、埼玉はサッカー専門のスタジアムでピッチとスタンドが近く、よりサッカーの魅力が感じられる。強く感じたのは両校のプレイヤー各人のシュートの強さと巧みさ、つまりシュートへの意識の高さ。それとカウンターの速さと防御陣をかわすフェイントの体のキレは素晴らしかった。決勝戦にふさわしい好ゲームだった。

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