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第262回 県高校総体、総文祭

"スポーツマンシップでいこう!!"の大変分かりやすい大会スローガンの平成26年高校総体。かたや高校総合文化祭(総文祭)の今年のテーマは"文化の果実~100%青春味~"。スローガン対決では文化の香りがする後者に軍配をあげたい。それはともかく、総体は84校1万4000人余32競技、総文は中学2校を含め91校約2880人余が好天のもと県内各地で行われた。3年生にとっては高校在学時のクラブ活動の総決算であり、4月に入学した1年生には最初の公式対外試合、発表の場でもある。総合開会式での学園大付属高校弓道部主将、内立輪友香さんは『この高校総体では自身のためだけではなく、今まで関わってくださったすべての人の思いを胸に感謝の気持ちを込めて、最後まであきらめず正々堂々と戦うことを誓います』と、昨年の全国高校選抜弓道大会の個人の部での覇者らしい凛とした宣誓を行った。総合開会式では殆どの学校の校長が生徒たちの先頭で行進をされるが、生徒と共に歩き共に戦うことで絆の深まりを実感されたと思う。

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(内立輪友香さんの選手宣誓)

私も、大会期間中幾つかの会場に足を運んだ。県民運動公園では、ソフトボール女子の熊本商の初優勝を少し遠めのネット越しで目にしたが、初優勝を手にした選手たちの嬉しい涙は、こちらも誘いこまれる感じで感動的だった。ソフトテニス会場はいつものようにスタンドも一緒になってのゲーム展開が素晴らしい。うまかなよかなスタジアムの陸上競技。幾つもの競技が同時進行で行われているが、ロアッソ熊本のゲーム、つまりプロとアマの総体の違いは後者が"爽やかさと躍動感"に満ちていることだろう。県立体育館ではまずボクシング会場へ、真近なリングでパンチの音もテレビとはかなり違う。余談だがこのテレビと実戦の音の違いは大相撲の立会のぶつかる音、アメフトのぶつかり合う音の激しさも半端ではなく、実戦の醍醐味(だいごみ~本当の面白さ)が味わえる。それからハンドボールの会場へ、顔見知りの方々に挨拶をしながら男子決勝を観戦。スピーディーな展開に目を奪われるが、元専門家として久しぶりの観戦ですぐに感じたことはシュートが単調すぎる。GKの好守を何度も目にするが、言葉を代えればシュートに工夫がないと思った。聞くと女子の決勝は城北が国府に逆転負けとか、城北の後半は殆ど得点がないのは、やはりシュート力のなさに起因していると思う。腕だけではなく体全体で打ちに行くそんな練習を沢山行うべきだろうと思った。それにしても満員の会場の熱気には驚かされた。

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(うまかなよかなスタジアムでの1コマ)

最終日は水前寺競技場でのサッカー男女、心配された雨も無く爽やかな風が心地よいコンディション。女子は東海大星翔が創部2年目で3連覇を狙った秀学館をPKで破って初V。女子サッカーは「なでしこ」の活躍で県内も活気づいてきたが、いずれにしても女子は黎明期。今後の発展を期待したい。男子決勝は大津の圧勝だった。先制点は前半30分、大きくゆるやかなCKに、虚を突かれた感じのルーテル守備陣の視野外から走り込んでタイミングを合わせた完璧なジャンプで頭で合わせての先取点、見事なセットプレーだった。後半にはパスでつないで加点、勝利を決定づけた。今年の全国大会を注視したい。

地元紙の熊日は熱戦の模様を連日大きな見出しで報じた。創部25年目の空手、文徳の初優勝あり、女子弓道鹿本の初優勝。テニス学園大付の男女V、卓球慶誠女子の41連覇。ボクシング九学の8連覇。また、平成11(1999)年の国体開催を期に創部された小国ホッケーの男子20年、女子10年の連続優勝も特筆ものだろう。それぞれが全国を目指してさらなる頑張りを期待したい。ところでこれは私の自論だが、指導者のみなさんの日ごろの熱いご指導は敬服に値するが、残念ながら敗退した指導者の皆さまに今こそ、自分の指導の在り方を考え、視点を変えてみてはどうだろう。他の競技の指導者と語り合うのもよし、他の競技の練習をみるのもよし。つまり、あまりどっぷりとその現場でもがいてはおられませんか。予選が終わった今こそ客観的視点に立ち、指導者自身がリフレッシュして、甦ってこそ新たな次への歩みが始まるのではないだろうか。

今回は総文祭に行けなかったが3月16日通町の「びぷれすコンサート」に市内の3校が出場、楽しめたし4月27日に県立劇場での済々黌弦楽部の創部50周年第7回定期演奏会に出かけた。どのくらいの観客か想像出来なかったが、覗くとほぼ満席の盛況に驚いたし、演奏内容のレパートリーも多く、生徒諸君の巧みな演奏に感心した。高校時代、運動部にしろ文化部にしろ自分を磨くその思いは豊かな人間性を育む貴重な時間であることは間違いない。

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